事後情報効果
心理学における「事後情報効果」とは?
事後情報効果(じごじょうほうこうか、英: post-event information effect)とは、ある出来事を目撃した後に、その出来事に関連した情報を与えられると、目撃した出来事の記憶が、情報の方向に変容してしまう現象を指します。言い換えると、目撃した出来事と矛盾する情報でも、記憶に混入し、目撃した出来事の記憶を歪めてしまうことがあります。
事後情報効果の例としては、以下のようなものが挙げられます。
ある交通事故の目撃者が、警察官から「車は赤信号を無視して交差点に進入したのですか?」と質問され、実際には赤信号だったかどうか確信がなくても、「はい」と答えてしまう。
ある犯罪の目撃者が、マスコミの報道によって、犯人の顔写真や犯行方法などの情報を得ると、実際には見ていない情報でも、見ていたと思い出してしまう。
事後情報効果は、目撃証言の信頼性に影響を与えることがわかっています。そのため、交通事故の捜査や犯罪の捜査においては、目撃者から情報を得る際には、事後情報効果の影響を考慮する必要があります。
事後情報効果の原因は、完全には解明されていませんが、以下のような要因が考えられています。
記憶の再構築: 人間の記憶は、固定されたものではなく、常に再構築されています。そのため、事後情報によって、目撃した出来事の記憶が再構築され、情報の方向に変容してしまう可能性があります。
暗示: 事後情報は、目撃者に暗示を与えることがあります。例えば、警察官が「車は赤信号を無視して交差点に進入したのですか?」と質問した場合、目撃者は実際には赤信号だったかどうか確信がなくても、「はい」と答えてしまう可能性があります。
事後情報効果について、より詳しく知りたい方は、以下の参考URLを参照してください。
参考URL
事後情報効果 | 記憶に関する認知バイアス | 錯思コレクション100: https://www.jumonji-u.ac.jp/english/
目撃記憶の事後情報効果に対する「反対の論理」の影響: https://j-aap.jp/JJAP/JJAP_025_1-9.pdf