入会儀礼効果
心理学における「入会儀礼効果」とは?
入会儀礼効果とは、集団に入るために困難な課題をこなすことで、その集団への愛着やコミットメントが強くなるという心理現象のことを指します。
アメリカの社会心理学者であるエリオット・アロンソンとレオナルド・グロスが1962年に提唱しました。
アロンソンとグロスは、学生を2つのグループに分け、一方は入会のために痛みを伴う電気ショックを受け、もう一方は軽い課題をこなすという実験を行いました。
実験の結果、痛みを伴う電気ショックを受けたグループの方が、軽い課題をこなしたグループよりも、グループへの愛着やコミットメントが強いことがわかりました。
入会儀礼効果は、以下のようなメカニズムによって説明されます。
正当化の原理: 人は、努力や苦労をしたことに対して、その対価を得ようとする心理的な傾向があります。入会儀礼効果の場合、痛みや苦痛というコストを払ったことで、自分がその集団に属する価値があると感じ、その集団への愛着やコミットメントが強くなります。
希少性の原理: 人は、手に入りにくいものや希少価値のあるものをより高く評価する傾向があります。入会儀礼効果の場合、困難な課題をこなすことで、その集団への入会が困難なものとなり、その集団への希少価値が高くなります。
社会的比較: 人は、自分と似たような人々と自分を比較することで、自分の価値観や行動を評価する傾向があります。入会儀礼効果の場合、同じような困難な課題をこなした仲間と自分を比較することで、その集団への帰属意識が強くなります。
入会儀礼効果は、様々な場面で活用されています。
企業: 新入社員研修において、厳しい課題を与えることで、企業への帰属意識を高める。
スポーツチーム: 新入部員に対して、厳しい練習メニューを与えることで、チームへの愛着を高める。
宗教団体: 入信希望者に対して、厳しい修行を課すことで、宗教への信仰心を高める。
参考URL
入会儀礼効果とは?意味、例、企業での活用方法を解説 - ミツカリ(https://mitsucari.com/
入会儀礼効果とは?意味、例、企業での活用方法を紹介 | 社会心理学用語集(https://www.kaonavi.jp/dictionary/
集団凝集性とは【わかりやすく】スポーツ、高める方法 - ミイダス(https://mie-u.repo.nii.ac.jp/record/14136/files/2021BS0019.pdf
その他
入会儀礼効果は、集団の凝集性やコミットメントを高める効果的な方法ですが、課題をあまりにも厳しくしすぎると、逆効果になる可能性もあります。
入会儀礼効果を効果的に活用するためには、対象となる集団や状況に合わせて、適切な課題を設定することが重要です。