ザイアンスのゴキブリ実験
心理学における「ザイアンスのゴキブリ実験」とは?
ザイアンスのゴキブリ実験は、1969年にアメリカの心理学者であるロバート・ザイアンスによって行われた実験であり、他者の存在が個人の課題遂行に与える影響について調べた研究です。
実験内容
この実験では、被験者を2つのグループに分け、一方は単独で、もう一方は他者と一緒に、迷路を走るゴキブリをゴールまで導くという課題を与えました。
結果
その結果、他者と一緒に課題を行ったグループの方が、単独で行ったグループよりも、ゴキブリをゴールまで導くのに短い時間が必要だったことがわかりました。
説明
この結果は、社会的促進と呼ばれる現象として説明されています。社会的促進とは、他者の存在が個人の課題遂行を促進するという現象です。
社会的促進が起こる理由は、以下の3つのメカニズムによって説明されています。
覚醒理論: 他者の存在によって、覚醒レベルが高まり、集中力やエネルギーが増す。
評価懸念理論: 他者から評価されることを恐れるため、より努力するようになる。
社会比較理論: 他者と自分を比較し、自分が劣っていると感じると、より努力するようになる。
ザイアンスのゴキブリ実験は、社会的促進が人間だけでなく、動物にも起こることを示した初めての研究として、心理学史上重要な研究として位置づけられています。
参考URL
社会的促進 - 心理学用語集サイコタム
社会的促進とは、作業や課題を遂行している時に、そばに他者がいることで、その作業や課題の成績が高まる現象を指す語です。 オルポート,F.H. は、単語連想課題や意見産出課題を用いて、単独で行う場合と集団で行う場合を比較し、後者の方が遂行量が多くなるということを実証しました。
https://psychoterm.jp/basic/society/social-facilitation
【ゴキブリレースにおける観衆の役割】
ゴキブリレースにおける観衆の役割
1969年、心理学者ロバート・ザイアンスは、ゴキブリを使った実験で有名な研究者です。ザイアンスは、ゴキブリに単純な迷路を走らせる課題を与え、周囲に同類のゴキブリを配置すると、ゴキブリは一匹で走る場合よりもタイムが良くなることを発見しました。