没個性化
心理学における「没個性化」とは?
没個性化(Deindividuation)とは、集団の中にいると、自分が誰であるかという意識が薄れ、個人としての責任感や規範意識が低下する心理状態のことを指します。
没個性化が起こると、以下のようなことが起こりやすくなります。
衝動的な行動: 周囲の目を気にせずに、普段はしないような衝動的な行動をとってしまう。
攻撃的な行動: 匿名性や集団の力を感じると、他者に対して攻撃的になったり、暴力を振るったりする。
責任の回避: 自分がしたことの責任を認めようとしなくなり、他人のせいにしたり、責任を逃れようとする。
没個性化は、以下のような状況で起こりやすいと言われています。
匿名性が高い: 顔が見えない、名前がわからないなど、個人が特定できない状況。
集団の規模が大きい: 大勢の人がいる状況。
集団の結束力が高い: 仲間意識が強い、一体感がある状況。
責任が分散されている: 誰が責任を負うのかが明確でない状況。
没個性化は、暴動、虐待、犯罪など、様々な社会問題に関与していると考えられています。
没個性化を防ぐためには、以下のような対策が有効です。
個人の責任感を意識させる: 個人の名前や顔が見えるようにする、個人の責任を明確にする。
集団の規範を明確にする: 集団の中で守るべきルールを明確にし、遵守させる。
リーダーが責任を持つ: リーダーが責任を持って行動し、集団を統率する。
多様な意見を尊重する: 集団の中で多様な意見が尊重されるようにする。
参考URL
https://www.scielo.br/j/ra/a/zqnYc9hYXwDK4jSJc4Tk36q/
https://www.ogis-ri.co.jp/column/kr/247.html
https://nagasaki-u.repo.nii.ac.jp/
https://msta.co.jp/media/free-rider
その他
没個性化は、心理学だけでなく、社会学、犯罪学、政治学など、様々な学問分野で研究されています。没個性化のメカニズムや対策を理解することは、より安全で秩序ある社会を作るために重要です。